介護と医療が連携した施設

これまで医療的ケアが必要な高齢者は、介護療養病床に入院するか、介護老人保健施設に入所する場合が多くありました。これらの施設は主に急性期の患者を対象としており、状態が良くなったら退所を求められてきたのです。特に介護療養病床はリハビリなどが中心で、掃除・洗濯・買い物・レクリエーションといった生活援助系のサービスはあまり提供されてきませんでした。

そんな介護療養病床と介護老人保健施設の内容を見直し、今後新たに設置されるのが「介護医療院」です。この施設は介護と医療が連携してサービスを提供していきます。主な対象者は長期的な医療ケアと介護を必要とする高齢者で、生活施設としての機能重視が明確化されました。つまりリハビリだけではなく、掃除・洗濯・買い物・レクリエーションといった生活援助系のサービスも重要視されてくる可能性があります。

なお、介護医療院は必要とする医療がどの程度かによって、さらに2種類に分かれます。重い身体的疾患を抱えていたり、認知症を併発している場合はそれだけ医療・介護の必要性も増します。その場合は現在の介護療養病床に相当する施設に入所することになります。一方比較的容体は安定している場合は、現在の介護老人保健施設に相当する施設に入所することになります。

「介護医療院」は平成30年度の介護保険法改正により、設置基準が明確化されました。今後介護療養病床・介護老人保健施設が転換する場合も出てきます。もし介護医療院で働きたいとお考えの方は、まず今ある「介護療養病床」「介護老人保健施設」での求人を探してみるようにしましょう。